まちに来たソラとカイトとくすぴーは、薄暗いまちの中で不思議な動きをする人影を見つけました。

近づいて話を聞いてみると、その人影は二人と同い年くらいの男の子です。

「誰かに伝えたい、大事なことがある気がする・・・」

彼は、何か大切なことを思い出そうとしているようでした。


「ぴ!」

突然、くすぴーが男の子――マオのポケットを指さしました。

マオが手を入れると、筆のようなものが。

それを宙に揺らしてみると、キラキラきらめく線が描かれました。

ソラは筆を借り、善通寺の「寺」を書いてみると、文字が光りに包まれていきます。

そして、なんと、そこから“詩”が生まれたのです。

ソラは、みんなの周りが、モノクロの世界の中でほんの少し色づいていることに気づきました。

自分の足元を見ると、やっぱりほんのり色づいている気がします。

お互いの大切な言葉を歌にして伝えることで、記憶と想いが共鳴してつながり、少しだけ力を取り戻せたようでした。